それいけヒーロー部

副会長が入ってきて話をしている間、顔だけは作って頭の中で思考を巡らした。




生徒会にいてその事件の情報は入ってきていたけれど、学校内には情報が流れない。


と言うことは、生徒会が意図的に情報を公開しなかったことになる。


つまりこの3人の先輩たちもそのもみ消しに加担したか、口止めされたかしたということ。




さらに、さっきのあたしの話で元風紀が万引きをしたことをすぐに受け入れたことから、風紀もその事件のもみ消しに関与していると考えられる。




「オレたちはそのもみ消しを間近で見てきた。

情けないことに、それを止めることが当時のオレたちにはできなかったんだ。」



「どういうことですか?」



「事件のもみ消しをしていたのは、生徒会の単独じゃない。


風紀と……教員もだ。」




「一年生だったあたしたちにはなーんにもできなかった。

ただただ被害者が泣き寝入りするのを見るしかできない


…あたしたちが声を上げても、それすらもみ消されていったから。」



先生たちまで……

この学校はそこまで腐っていたのか。


普通に、平和で一般的な平凡な学校のように見えるっていうのに。




「え、でも、今は、今はそんな事件なんて、生徒会に上がってきてないじゃないですか!」




駒井くんが顔をゆがめながら声を上げる。

確かに、駒井くんと角田さんが全くなにも知らなかったと言うことは、現生徒会にはそういった情報が入ってきていないと言うことになる。



それか、上がってきても前と同じように会長たちがもみ消しているか…




「今は、な。

事件自体がものすごく少ないし、大抵の場合加害者がすでに制裁された後なんだよ。」



そこであたしに視線を向けた副会長。


ヒーロー部の存在がここで関わってくるってわけか。





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