それいけヒーロー部

「去年の夏休みの前に、男子生徒が1人自主退学したんだ。

当時1年生。つまりオレたちと同じ学年だった奴だ。」



「オレと同じクラスだったよ。

髪の色とかはぶっ飛んでたけど面白い奴でさ。

暑苦しいくらい友達想いで、真っ直ぐで、うるさかったけど仲良かったんだよね。オレ。」




副会長が眉間に皺を寄せて苦しそうに視線を下げた。


その人は、もしかしなくても海先輩と葛西先輩の話に出てきたあの人ではないだろうか。



海先輩たちも言っていたが、人望の厚い人だったんだろうな。


それなのに濡れ衣で退学。





「そいつが退学した理由が、風紀委員への暴行とカツアゲと言うことに表面上はなっている。だけど、本当は…」



「カツアゲは濡れ衣で、一般生徒にカツアゲをしていた風紀委員を止めるために殴った。」




そこで口をはさむと、なんでお前が知っているという顔の会長と副会長。




「とある人に聞きました。」



「その真実を知っているってことは、あいつらがしゃべったんだね。」




副会長の言うあいつらとは誰の事だろうか。

普通に考えると海先輩と葛西先輩だけど、生徒会とあの人達のつながりがわからない。



単に同じ学年だから知っているということも考えられるが、副会長は退学した人と仲が良かったと言う。



ならば、同じように退学した人と仲が良かった海先輩たちと関わりがあってもおかしくはない。




「あいつらって誰の事ですか?

あと、その退学の話と事件んが減った話はどう関連するんですか?」




話についていけなくなると判断したのか、駒田くんが質問する。



さっきから君はいいところでいい質問をしますね。


とてもいいと思います。




「葛西と大文字ってやつらが2年にいるんだ。その退学した奴と一番仲良かったのがこの2人だな。

もうお前らみんな巻き込まれてるようなもんだから言っちまうが、この学校で悪事をすると謎の覆面集団が制裁にやってくる噂あるだろ?その覆面がこの2人だ。」



…え?



……ん?







「ええっ!!」






ばれてるじゃん先輩方!!!






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