それいけヒーロー部

「なんだよ牧村、大きい声だして。」



しらっと迷惑そうな顔でそんなことを言われても、そりゃあ驚きますよ会長!


だって、ばれてんじゃん!
ヒーロー部のトップ2ばれてんじゃん!




「まぁ、その二人がな友達の退学をきっかけにか知らないが、陰で動き出したんだ。

校内の今までもみ消されてきたような事件をことごとく見付け、加害者をつぶしだした。

それは、オレたちがやろうと思ってもできなかったことだ。」




会長の顔には、どこか悔しさがにじんでいる。




「もちろん暴力で解決するようなやり方だから、大っぴらにはできない。

だからあいつらは顔を隠してひたすら姿を見せずに活動してる。」




ヒーロー部の活動の捉え方も、発足の原因もこの人達は理解しているようだ。



じゃあ、なぜ今までヒーロー部に対して何も動きを見せなかったのか。


捕まえようと思えば捕まえられたはずだし、その逆も然りだ。

支援することだってできただろう。




「先輩たちは、なんでそこまで知ってるんです?

その人たちって秘密部隊なんでしょう?」



「今の2年は退学した奴とあいつら2人が仲良かったって知ってるし、あの2人が馬鹿みたいに強いってこともなんとなく知ってんだわ。

で、時期的に見ても、活動内容をみてもあの2人以外はあり得ないかなって。」





「じゃあ他にも覆面の正体を知っている人はたくさんいる感じですか?」



「いや、あの退学が不当なものだったって知ってるのはオレたちだけだから、他の奴らはあの二人が覆面の正体とまでは考えられないだろうな。

だから、実質覆面の中身を知ってるのはここにいるメンバーだけだ。」




でもその考えで行くと、風紀のメンバーも知っているんじゃないだろうか。

風紀が突っかかってきている様子はない。



…そこは追々海先輩に聞けばいいか。





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