それいけヒーロー部

「オレがくるみちゃんに声をかけたのは、これから始まるオレたちの裏の活動に必要だと思ったからだよ。」



副会長が声を上げる。

生徒会としての活動は表の活動で、断罪が裏の活動ってか。




「隠れて悪さしている奴らの情報を流してもらって、こちらで正当に処分したいんだ。

そして、悪いことをしてものうのうと過ごしている奴らに思い知らせてやる。

じゃないとこの学校から陰の犯罪がなくならない。」



なんともいい笑顔でそう言い切る副会長からは、なにやら黒いオーラがほとばしっている。

この人はやはり黒い。

お腹の中が真っ黒だ。



「プラスして勝也先輩や退学したやつみたいな冤罪もなくしたいな。

あ、沼田。この間の勝也先輩の万引きはやっぱり濡れ衣だったみたいだぞ。

牧村が本人から聞いたそうだ。」




「あぁーやっぱりそうだったかぁ。

おとりになるためとは言え悪いことしちゃったな…」




つまり、つまりだよ。

話をいったん整理しよう。






「ちょ、あの、よくわかんなくなっちゃったんすけど…」



整理しようと思ったが、その前に駒井くんの質問コーナーだ。

今までナイスタイミングでナイスな質問をしてくれた駒井くんだからちゃんと聞いてあげよう。





「今の話のどのタイミングで牧村が関わってくるんですか?


会長たちは校内の陰で行われている非行や誤魔化されている非行をどうにかしたい。

で、覆面の先輩たちはそんな陰で悪さしている奴らに制裁を加えている。

牧村の出番はどこに…?」





「あー、それな。牧村もその覆面の中の一人なんだよ実は。だからモロ関係者。」



「えぇ!そうなんですか!?」





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