それいけヒーロー部

「いったん整理していいですかね。」



気持ち悪いウインクをする副会長は無視して話を進める。



「あたしはその裏で活動する覆面の一員です。それは認めます。

で、生徒会は私たちの情報をもらって裏で悪さした輩を捕まえたい。ここまでいいですか?」




「うん、合ってるね。」



「この計画を進めていたのは2年の先輩方で、1年の角田さんと駒井くんはそれを知らなかった。

あと、3年生が生徒会に所属していた前期までは3年生政治が行われていて、会長たちは自由に身動きが取れなかった。

だから後期になってからこの計画を実行に移した。覆面と接触をするための踏み台とされたのがかっちゃん先輩たちですね。」



「踏み台って…まぁ言葉は悪いけどそう言うことになるかな。」



「つまり、生徒会は覆面と同じ目的に向かって進んでいる同志であり、敵対関係にはないと。」



「そうだね。と言うかオレくるみちゃんに最初に言ったよね?

『覆面集団の情報をリークしてほしい、それをもとに総取りにしたい』って。」




…確かにそんなようなことを言っていたような気もする。



「でもそれって、覆面集団のメンバーとか、どこにいるとかそういう情報を流せってことじゃなかったんですか。

それで、覆面集団を総取りにしようってことじゃ…」



「やだなー違うよー。

君たちの制裁情報を流してもらって、裏でコソコソしてる奴らを総取りにするってこと!」



「……あたしに裏切り者になれって言いませんでしたっけ?」



「そりゃあ、君たちが制裁したい人らをこっちで横取するんだから、裏切り者でしょ?」



「……断わったら風紀とかにあたしのことを公表するとか、協力したら自由の身とか…」



「あー、もちろん風紀に売ったりするつもりなかったけど、そういわなきゃくるみちゃん協力してくれないでしょ?

まあ、取引には少しの嘘も必要ってこと!」






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