それいけヒーロー部

「うわー、まじか。それってちょっとへこむかも。」




「え、えええーっと、ちょ、ちょっと待ってくださいね。

今!今思い出しますから!

ちょっとだけ待ってください!」





この反応ってマジで知り合いなんじゃないの!




え、こんな人今までの人生で出会ってたっけ?



明るい茶髪に垂れ目、身長は高めだけどマリリンよりは低い、おしゃれなコートにパンツ、ピアスが左右合わせて5つ。



肌の色は白目だけど軟弱な感じの体型ではない。


肩幅もあるし割とかっちりしてる。

年はちょい上くらいか?大学生?




「ははっ めっちゃ観察されてるなオレ。」



この声、…どっかで聞いたことあるような気が…ねぇわ。


あたしの記憶のどこにもヒットしないわこの人。





「すみませんわかんないです。

降参です。思い出せません。」




「ふっ 潔いな君。

まぁ思い出せないのも仕方ないかもな。…オレ、正確には君と初対面だし!」





……何言ってんだこいつ。





「じゃ、すいません失礼します。」




こんなよくわかんない野郎とは関わらない方がいい。

絶対関わらない方がいい。

信号も青になったし、立ち去るに限る。





「え、ちょ、待って待って!

ごめん、嘘!いや嘘でもないけど、ちょっとオレの話聞こう?ね?」



「すみません。
知らない人と話すなって友達に言われてるんで。」




なおも食い下がってくる男は見ないふりをして立ち去ろうとすると、腕を掴まれてしまった。





「君、くるみちゃんでしょ?!」



「……なんで名前知ってるんすか。」



「オレ、海の友達。

海から君の写真見せられてたから顔も名前も知ってた。こういえば信用してくれる?」






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