それいけヒーロー部
え、あの男は何勝手に人の名前と写真を漏洩してんの?
「すみません。さようなら。」
「あっれーなんでだ。全然信用得られねぇじゃねえか!
君ら幼馴染なんじゃねえの?なんでこんなに信用してもらえないの?」
なんでってそれは、海先輩の名前だしたからじゃないっすかね。
基本的にあたしの中で海先輩とつながりがある人は厄介ごとしかもたらさないと決まってる。
小学校の時は海くんが中学生に絡まれてそのとばっちりを食らって一緒に戦う羽目になったり、
海くんに憧れているという女子に怖い目で睨まれたりした。
中学校では、海先輩の下についている先輩たちにケンカ売られて叩きのめすことになったり、
海先輩が他校の怖い人にいたずらを仕掛けてそれに切れた他校の人たちに追いかけまわされたりした。
そして現在は海先輩が仕切る変な部活に強制入部させられた。
海先輩あるところにいいことなしだ。
「海先輩に用事があるなら直接どうぞ。
幼馴染と言えど、あたしは関係ないので。」
そもそも、みんななんで海先輩あての用事をあたしにぶつけるんだ。
直接言うのが怖いなら初めからつっかかりにいくなよ。
「あー、違うよ?
言ったでしょ、オレは海の友達。別に海への復讐の餌にくるみちゃんを使おうとかそんなんじゃないから。
単純に君と話がしたいだけだよ。」
茶髪がニコリと笑った。
なんだか毒気のない笑顔に気を緩めそうになってしまう。
「ということで、ちょっとオレとお茶しませんか?」
もしこれで何かに巻き込まれたら、全面的に海先輩のせいということにしよう。
「…ナンパするならもっとスマートに誘ってくださいよ。」