それいけヒーロー部
「おい、俺を盾にするな。」
「今まで起こしてくれなかった償いとして盾になりたまえ。」
まぁそれは悪かったと思ってるけどさーなんて絶対に悪いと思っていない声で言うマリリンは、なんだかんだ言っても素直に盾になってくれる。
そういうところが大好きだよマリリン。
「お、こっち来たぞ。」
「え!逃げようマリリン!」
身長が185あるらしいマリリンの広い背中を思いっきり押して、野間沢くんの襲撃からの逃走を図る。
と、その時「作戦C!」と野間沢くんが叫んだ。
なんだなんだと前方にばかり気を配っていたあたし。
それがいけなかった。
「うわぁ!!」
あたしの肩を後ろから何者かが引っ張り、そのまま流れるように腕を掴まれてマリリンから引き離されてしまった。
「作戦C成功!」
あたしを引っ張った犯人は、野間沢くんといつも一緒に行動している陣野くんのようだ。
この人も朝の4人組の中の一人のはず。
つまりはあたしの敵ということだ。
「助けてマリリン!」
「江橋、ちょっとこいつもらってくけど別にいいよな?」
「あー…腹減ってるらしいから飯は食わしてやれよ。」
「そんなのはお安いご用だ。じゃ、もらってくわ。」
そんな会話をさっさとすませた二人。
え、ちょっと、えぇ、待って…
「マリリン!あたしを見捨てるのか!?」
「あ?見捨ててない見捨ててない。こいつら面倒そうだとか思ってない。」
「心の声が駄々漏れだよ馬鹿マリリン!」
「よし、行くか。」
「くるみ、5時間目はちゃんと授業受けろよ。」
「それまでには返すから大丈夫だ。」
「おう、行ってらっしゃい。」
「え、マジで意味わかんない!笑顔で爽やかに送り出すなよ!」
「わかんなくて大丈夫だよーちゃんと説明すっから!」
「お、野間沢。ストーカーごっこは終ったのか?」
「オレストーカー違う!」
「ここで話してても埒が明かねぇ。さっさと行くぞ。」