それいけヒーロー部
「じゃ、改めまして、オレは篠宮勇志。退学した篠宮壮志はオレの弟だ。だますようなことして悪かったな。」
「なるほど、お兄さんでしたか。」
道理でいろいろと詳しかったわけだ。
「これはあっさり信じるのか?もしかしたらこれも嘘かもよ?」
「あなたがこのタイミングであたしを騙すことに特に意味はないかなと思っただけです。
感情の揺れも見えないし、海先輩に確認すればすぐにばれてしまう嘘をついてもあなたにとっては不利にしかならない。
なら本当なのかなと。」
「この一瞬でそこまで考えたのか。」
「まぁ、素を見た人のことは信じやすいんですよあたし。悪い癖なんですけどね。」
副会長は素を見たところで信用しないけどね。
奴は憎き敵認定してるから。
「で、お兄さんはあたしに何の用事でナンパしてきたんです?」
「ナンパじゃねえよ。まぁ、まずオレの話を聞け。
実はな……女子高生と楽しくお茶をしたかっただけなんだ。」
「…ぶっ飛ばしましょうか?」
「冗談だよ馬鹿。」
「真顔で冗談言ってないで早く本題に入ってください。」
「はいはい。
壮志の話はさっきしただろ?
高校やめてから頑張ってバイトしながら勉強してんだけどさ、あいつなーんか物騒なこと考えてるっぽくてな。
もしかしたらそのうち高校に殴り込みに行くかもしれない。」
このお兄さんってばさっきから真顔で変なことしか言ってないんだけど大丈夫かな。