それいけヒーロー部
「信じてないな?」
「まぁ、根拠がないと信じがたい内容ですし。」
「物的な根拠っていう根拠は提示できないが、その考えに至った原因はなんとなく聞き出した。
どうにも、バイトしてるところにお前のとこの学校の教師が通りかかって、その時に何か言われたらしい。その日は家でずっとイライラしていた。」
風紀の次は教師か…。
何を言われたかわからないが、正義感強いらしい篠宮さんが激怒するくらいにはひどいことを言ったんだろう。
「で、なんでそのことをあたしに言うんですか?
海先輩と葛西先輩とは知り合いなんですよね?ならそっちを当たるのが妥当じゃないですか?」
「…あいつらは一回、壮志の退学ことで学校に対して不満を飲み込んでいる。
もしこの話をしたらきっと、喜んで協力するだろうな。」
「なるほど…その可能性は大いにありますね。
それなら、お兄さんが直接話をして止めることはできないんですか?」
「オレも弟のことを貶めた学校のことなんて大嫌いだ。
できることならオレも一緒に乗り込みたいくらいには嫌いだ。」
「…じゃあもういっそ乗り込ませたらいいんじゃないっすかね。思うままにやらせればいいのでは?」
「馬鹿かお前は。
そんなことしたら壮志は犯罪者になってせっかく今まで頑張って勉強してきたものが無駄になるだろうが。」
「…ならその旨を弟さんに伝えれば…」
「オレはいつだって壮志の味方になる。
あいつがやるといったら止められない。だから、お前に頼みにきた。」
…このお兄さんめんどくせぇ。