それいけヒーロー部


危険を感じたのかいったん距離を置いた相手は、今度はあたしの出方をうかがっているのがわかる。




「お先にどうぞ?」


「……。」



軽口をたたいてみたが無言で睨まれ終わってしまった。


なんだノリが悪いなあ。




ならこちらからと、一気に走り寄り下段蹴りをかます。

所謂、金的というものだ。




いきなり急所を狙われるとは思っていなかったんだろう相手は、その場にうずくまり痛みに悶えている。




「不能になったらごめんなさいね。」



にっこり笑顔でそう言って振り向くと、銀次郎と陣野くんと生き残っている相手さんが急所を押えて、おびえた様子でこちらを見ていた。


若干青ざめているようにも見えるがそんな大げさな。





「えげつねぇ…」

「こいつ、なんてことを…」



「カシュー、それはやったらあかんでしょう…」


「ざらめ、そんなこと言われても、女なもんで。」


その痛みはわからないのですよ。




「カシューに逆らったらダメだ。殺される。」

なんて言い草だよ銀次郎ったら。




「仲間にこんなひどいことしないよ。仲間には、ね……?」



そこで相手さんの生き残り3人に視線をやると、化け物でも見るかのような目で見られた。


いやおびえすぎじゃないすか。



「…わかりましたよ。金的は封印しますから、さっさとかかってきてください。」




そういうと、「たかちゃんの弔い合戦じゃー!!」と、涙をぬぐいながらかかってきた。


たかちゃん死んでないぞおい。



…男として死んでたら本当にごめんな、たかちゃん。





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