それいけヒーロー部

そして、いやだいやだマリリンの馬鹿たれ裏切り者薄情者不審者拉致監禁ダメ絶対など様々な言葉をあたしを捕まえている二人、野間沢くんと陣野くんに浴びせたけれど、一向に手を離してくれない二人。




言ったことの半分がマリリンへの文句だったが、文句だって言いたくなる。


あんなにあっさりあたしのこと売りやがって。

戻ったら脛に一蹴り入れてやる。




「大丈夫!ちょっとお話聞いてもらうだけだから!」



「なにその胡散臭いキャッチみたいなセリフ。」



今お時間いいですかともなんとも聞かれてない分キャッチの方が親切なくらいだ。



「オレ野間沢文彦、2組ね!体育で一緒だよね!」


「…そうですね。」


「オレは陣野修二ね。同じく2組。」


「…知ってます。」




歩きながら、否、引きずられながら勝手に自己紹介を始めた二人の顔を見る。


うちのクラスの女子が二人をかっこいいとか言っていたけど、ちょっと人より目立つ顔だちと髪色をしているだけだ。マリリンの方がよっぽどかっこいい。





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