それいけヒーロー部
「大丈夫ならいいんだ。
こっちも、今まで以上に大々的に活動していくからな。
顔は隠すけど、もう口止めはしない。どんどん噂にしてもらう予定だから、もしかしたらそっちに情報開示しろって色々くるかもしんねーけど、なんとかしろよ。」
海先輩は誰を相手にしても横柄だなあ。そんなんじゃ友達できねーぞ。
「なんとかって…そんなノープランでよくやってるよね。」
「ノープランじゃねえ。
考えて行動してるわ。」
そうなんだよね。
この男はノープランな訳じゃないんだ。
ただ、普通の人からしたらノープランに見える無茶な行動もこの人がやるとなんなくできてしまうから、周りからみるとものすごく危ない奴に見えてしまう。
「何か聞かれたら顔は知らないってことにしておくよ。
あ、そうだ。もういっそのこと全校放送かなんかで言っちゃおうか。
それならチマチマ聞かれずに済む。」
「オレたちに不利にならなければなんでもいい。ただ、うまくやれよ。」
海先輩の言葉に、羽島会長は一言「了解」とだけ返事をした。
きっと、ヒーロー部と生徒会が手を組んだことが全校に知られれば、風紀や教員が何かしらの動きを見せると思う。
この共同戦線の果てに何が待っているのか、今はまだわからない。
けれど、学校が少しでもいい方向に動くことを願って、今は行動あるのみだ。