それいけヒーロー部

翌週、生徒会は会長の家で会議した通りにポスターを張り出しを行う。

そしてそれに合わせて昼休みに放送室をジャックして、全校放送を流した。




「楽しく昼ご飯を食べている時間を少し生徒会でもらいます。

一旦談笑をやめ、放送に耳を傾けていただきたい。」




そんな話し出しから始まった生徒会の放送。

みんな何事かと放送に気を取られている。





「今回、生徒会が各階の掲示板に張り出したポスターをみなさんはご覧になったでしょうか?

『ヒーロー見参』と書かれたポスターです。

みなさんはきっと聞いたことがあるでしょうが、この学校にはヒーローが存在します。裏で悪事を働く輩を裁く、彼らの事です。

今まで秘密結社だとか、覆面集団だとか、いろいろな言い方をされてきた彼らですが、彼らの本質は悪事を砕くヒーローです。


この度、我々生徒会は彼ら、『ヒーロー部』と共同して学校内の悪をなくすために動くことにしました。

今まで彼らに助けられたことのある生徒もたくさんいるでしょう。

彼らに諭された生徒もそれ以上にいるでしょう。


ヒーローはこの学校を変えるために動いています。我々生徒会も彼らと共に学校を変えたい。


生徒会の想いに賛同してくれる生徒がいることを信じてこの放送を流しました。

生徒会も彼らの素顔は知りません。

しかし、彼らの想いはしかと受け止めました。今まで見過ごされてきた悪を、もう見過ごすことはありません。


生徒会は、学校の改革をここに宣言します!」





力強く言い放たれた羽島会長の一言。





「では、残りの昼休みはざわざわしてお過ごしください。生徒会長からのびっくり放送でしたー。」




力強い一言から一変、気の抜けるような一言で放送を締めくくった会長に脱力。


…台無しだぜ会長!



しかし、そう思っているのはあたしやあたしの前で昼飯のおにぎり(3つ目)をもぐもぐするマリリンだけのようで、教室内は会長の言う通りざわざわと落ち着かない空気だった。





< 162 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop