それいけヒーロー部

なんか大幅に間違えたような気がするが、まぁ気のせいということにしておこう。



「え、だから、イイ体してんのかなって。

そんな見た目で二股かけてんだろ?
女はやっぱ見た目によらねぇよなぁ。」




あたしってばいつの間に二股かけてたんだろう。


つんつんの方の衝撃的な言葉に衝撃を受け過ぎてなにも言えねえよ。




「だんまりってことは噂は本当なんだ?

しかも二股の相手が沼田と江橋だろ?

オレらの周りの女子がキーキー言ってたぞ。」




マジか。そんなに事態は深刻になっていたとは。

あたしはいつだってマリリン一筋だっていうのに。





「その噂は誤解です。そもそもあたしは誰とも付き合っていないです。」




とりあえずそこだけは訂正させていただこう。

あたしの名誉のためにも。




「え?付き合ってないってことは体だけオトモダチってこと?やるなぁ。」



「そんなことあるわけないじゃないですか!不潔な!

いい加減にしていただけます?」




あの大天使マリリンに対してなんたる無礼!


不潔なことを言うその口はあたしがつぶしてやろうか!


それとも残りの髪も刈り上げて坊主にしてやろうか!

五厘に刈ってやろうか!





「おぉ…なんで急にそんなに怒ってんだよ。

二股ばれたからって逆切れすんなって。」



「逆切れじゃないっすよ!普通に切れてんです!

あんまり馬鹿なこと言ってるとぶん殴りますよ?」




「え、めっちゃ暴力的なんだけどこの子、なんなの一体。」




ちょっと引かれた目で見られてハッとする。

か弱い可愛い女子高生はぶん殴るとか言わない。





「馬鹿なことおっしゃいますと、殴打してさしあげますよ!」



「丁寧に言い直されても恐怖しか感じない!なんだこの感覚は!!」


「この子やべぇやつだ。」





ものすごく引かれた。
< 167 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop