それいけヒーロー部
その後、ものすごく引いた二人組に対して噂の訂正をし、先ほどの発言の撤回と謝罪をしてもらうまであたしの怒りは収まらなかった。
「もう二度とあんな無礼なことは言わないでくださいね。怒りますよ。」
「わかったよ。謎の威圧感が半端ないからもう言わない。」
「周りの人にも噂の訂正をしてください。怒りますよ。」
「なんでそんなに怒るんだよ…平和に行こうぜ…。」
「最初に吹っかけてきたのは先輩たちです。平和じゃない。」
「ごめんって。もうしねーから。な?」
あたしに話かけてきたときの下品な笑いは引っ込めて、普通に笑っている先輩たちに好感が持てる。
人の素を見るとコロッと懐く、チョロイ人間代表である牧村くるみとはあたしのことだ。
「もうしないなら許します。
あたしも失礼な態度ですみませんでした。」
あたしが頭を下げると、びっくりされたが「別にいいよ。」とあっさり許してもらった。
この人たちもチョロイ人間代表かもしれない。
「しかしまぁ、なんでこんな奴に二股疑惑がかけられてたんだ?
絶対にないだろ?」
「あたしが聞きたいですよそんなの。」
「でも、2年の女子の間ではお前、すごい有名人だよ?」
「沼田にちょっかい出した生意気な1年って言ってたな。」
「ものすごく不名誉な称号ですね。
すぐにでも訂正して回りたいです。」
「まぁ、大方噂に踊らされてるだけなんだろうけど。」
「先輩たちも踊らされてましたけどね。」
「…それは言うな。謝っただろうが。」
「結構根に持つタイプなんですよ。」
「自分で言うなよ。」