それいけヒーロー部

はいこれお昼のおにぎりね、お菓子もあるよ、紅茶と緑茶どっちがいい?と、ものすごく世話を焼いてくれる銀次郎。



うろちょろと席を立ったり座ったり忙しない様子はまんま銀次郎だ。


あのワンコも構ってほしがりでいつもあたしの周りをうろうろ歩きまわっていた。




「あの、ありがとう。いただきます。」

「うん!どうぞ!」




返事をすればニコニコと嬉しそうにこっちを見てくる。


ありもしない尻尾がぶんぶんとすごい勢いで振られている幻覚が…。




「さて、いきなりだけど話始めてもいいかな?昼休みは限られているからね。」


「あ、はい。」


「さっきも言ったけど、ここは華道部じゃなくてヒーロー部の本部。そして、ここに居る3人ともう一人、二年の大文字海がヒーロー部のメンバーね。ここまでオッケー?」



……ヒーロー部、本部、メンバー。
うん、わからん。



「全然オッケーじゃないです。帰っていいですか。」


本日三度目の回れ右。





「くるみちゃん。ここまで聞いたらもうそのまま帰してあげられないんだわ。」



今回も道をふさいだのは陣野くんでした。





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