それいけヒーロー部


「風紀委員長キライなんだよなぁ。」


「あいつ、面倒だよなぁ。」




そんなことを言う二人には申し訳ないが、あたしはこのチャンスを逃しはしないよ。

せっかく風紀室に潜入できるってのに、みすみす逃してたまるか。




「先輩、大人しく風紀室に行って反省すべきです。なぜならあたしが傷ついたから!」



そう、二人に話しかけると、目を大きくさせてびっくりする二人。


『何言ってんだこいつ』と顔に書いてあるのが見える。




「あ、あなたは…?」




急に話に入ってきたあたしを見て不思議そうな顔をする風紀くんだが、あたしの声を聴いても特に不審には思っていないようだ。


まぁ、前に会ったときはスパイダーをかぶっていたわけだし、そんなに長いこと話していたわけではないからな。

バレなくてよかった。




「ちょっとこの二人に絡まれたんです。ね、先輩。」



「え、うん。まぁそうだけど…」



「……やっぱり悪いことしているじゃないですか。行きますよ。」




ごめんあそばせ先輩方。

くるみちゃんのために生贄になって。




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