それいけヒーロー部


しぶしぶといった感じで風紀くんの後ろをついて歩く先輩たち。



「風紀委員長って面倒なんですか?」




こっそりと聞いてみると、つんつん先輩が眉間に皺を寄せて答えてくれた。




「なんか、何考えてっかわかんねぇ感じ。

つうか始業式の時とか壇上でしゃべってただろ。」



マジかよ。

そんなのあたしの記憶の中にないんだけど。


…ほら、基本的に始業式とか終業式って眠くなるじゃん?



あの空間にはなにか催眠誘導の魔力が漂っているからね。


必要な情報なんてほとんどないんだからあの場で起きている必要なんてほとんどないと思うんだ。





「オレたちですら起きてたのに、お前寝てたのか?」


「なんのことでしょうね?」



にっこり肩をすくめて見てもため息をつかれただけでした。




「お前、あんまり風紀委員長の前でしゃべらない方がいいと思うぞ?

なんか面倒対面倒で大変なことになりそう。」




刈り上げ先輩にさらっと面倒と言われた気がするんですけど気のせいですかね。

気のせいじゃないですよね。




「あたしは聞かれたことに嘘偽りなく答えるのみですよ。

先輩たちに絡まれて名誉棄損されたとか、囲まれてすごく怖かったとか。」




「面倒って言ってごめんなさい。」



「許しましょう。」




チョロイ人間代表はしょんぼりと謝られればすぐ許しちゃうのです。

あたしと刈り上げ先輩のやり取りを見て笑うつんつん先輩。


これから敵陣に行こうっていうのに、なんて緩んだ空気なんだ。




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