それいけヒーロー部
「入ってください。」
風紀くんの声にへらへらとしていた顔を引き締める。
さぁいざ出陣。
「失礼します。」
固いあたしの声とは対照的に、しつれいしまぁーすとゆるゆるなあいさつで入室する先輩方。
先ほどまでの話しぶりから考えても、この二人はもしかすると風紀室の常連なのかもしれない。
「なんだ。」
風紀室の中は、普通の教室よりも少し狭い空間に広めのデスクが正面に一つとそのほかに四つ。
応接用なのかソファーと机が部屋の奥にあり、周りの壁に置いてある棚には大量のファイルがずらりと並んでいる。
生徒会室と似通ったつくりだ。
「体育館近くの自販機のところで怪しい動きをしていたので連れてきました。
この女子生徒が絡まれたそうです。」
部屋の中に唯一いた、正面のデスクに座っている男子生徒に報告をする風紀くん。
この人がきっと風紀委員長なんだろう。
「オレたちお話ししてただけだよ、委員長。」
「そうそう。仲良くしてただけー。」
先輩たちが緩く答えると、委員長がゆらりと立ち上がった。