それいけヒーロー部

その後、あれよあれよと言う間に今朝先輩方と一戦交えた駐輪場に連れてこられた。


そして壁に身を隠しておくように言われたと思ったら、一緒に走ってきた3人はあの変な覆面をかぶって壁の向こうに。




「なんなんだよ一体…て、あ。」



壁の向こうをのぞくと、宇宙人の覆面が加わって4人になった彼らと3人の男子生徒がいた。




覆面をかぶっていない3人の手には火のついたタバコ。

あたしの認識が正しければタバコは二十歳になってからで、この高校にいる生徒で二十歳を超えている人はいなかったはず。



そして見覚えがあるような気もするし、あの三人はたぶんあたしと同じ一年生だ。



この距離だと会話の内容は聞き取れないが、向かい合った両者は何か言い合いをしているようだ。




タバコはダメだとかそんな感じの事を言っているんだろうか。

あの覆面の中身の彼らだってタバコくらい吸っていそうな人たちなのに。



特に葛西先輩なんかは絶対に吸ってるでしょ。



という感じでひっそりと見守っていると、いきなり両者殴り合いを始めたではないか。



覆面サイドは一人多いからか律儀にツタンカーメンが一歩後ろに引いている。

あれは葛西先輩だ。



確か大仏は陣野くんで、馬が銀次郎だ。

宇宙人はおそらく連絡を入れてきた人なんだろうな。




…あの身長ってことは宇宙人はやっぱりあいつか。




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