それいけヒーロー部
魔王に引きずられるあたしに目を向けた風紀委員長は目をカッとさせた。
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
「…いいんちょ、昨日ぶりっすね。
その節はどうもすみませんでした。」
ヘラっと笑って見せると、今度は肩をビクッと上げる委員長。
かわいそうになってくるわ。
「あの、昨日の事を謝りたくて、いいんちょーを探して歩いていたのです。そしたらここに、いると聞きまして。
放課後は忙しいのかと思ってきてしまったんですが、最高に迷惑なタイミングになってしまいましたね。また後で出直しますね。」
にっこり最高級のくるみちゃんスマイルで誤魔化すよ!!
というか葛西先輩、もう抱えなくて大丈夫っすけど、いつまであたしの首根っこ掴んでいる気ですかね!
「その件は、忘れろと、言った。別に、いい。」
いいんちょーが片言だけどちゃんと喋ってくれた!
昨日は首振るだけだったのに!進歩だね!
「いいんちょ、今日はしゃべってくれて嬉しいです!」
そのままの気持ちを伝えるとぷいっとそっぽ向かれてしまった。
「おっと残念。」
そんなあたしと風紀委員長の様子をみて、生徒会長は楽しそうに笑ってるし、副会長は面白くなさそう。
葛西先輩は思いっきり肩を揺らして笑っている。
「あ、あのー、首のとこつかむのやめてもらってもいいすかね?」
「え、猫みたいでかわいいのに。」
「そういう問題じゃないと思うんすけど。」