それいけヒーロー部
その日のあたしは、いつも通り、肌を突き刺す寒さと戦いながら高校に登校してきた。
時間は遅刻ギリギリで、自転車通学の生徒が使用する裏門を通過した時点で予鈴が鳴っていた。
それもいつも通り。
二度目のチャイムが鳴る前に教室に入れれば遅刻ではない。
そして、次のチャイムが鳴るのは5分後。
余裕で教室にたどり着けるのだから慌てる必要はない。
いつもこのクラスの駐輪場に最後に自転車をとめるのはあたしだが、みんなそれを知っているため、一台分のスペースが必ず空いている。
なんとも親切なクラスメイトたちだ。
いつもの場所に自転車をとめ、教室に向かって歩き出す。
そこで、いつもとは違った音が周囲に響き、あたしのいつも通りが崩されてしまった。