それいけヒーロー部

数分ももたずに一年生三人組が倒れた。


覆面組は戦い慣れてる気がしたし、力の差が明らかに違っていた。



それなのにもかかわらず戦いを挑んだ一年生三人組が馬鹿だったな。

相手が自分より強いかどうかなんてだいたいわかるだろうに。




地に伏した三人を正座させ、その前に整列した四人がなにかを言い聞かせているようだが、話の内容は一切聞こえない。



というか、素直に言われた通りここで眺めていたけれど、よく考えれば今が逃げる絶好のチャンスなんじゃないのか。


なにをのんきに人のケンカを眺めているんだ。




ポケットのあいぽんが表示してくれた時間は、昼休みが終わる10分前。


今あの変な四人はあっちに集中しているし、あたしがいなくなっても気づかないだろう。

そうと決まれば即撤退。



マリリンにも褒められた足の速さを存分に発揮して、あたしは音もなく駐輪場を後にした。





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