それいけヒーロー部
風紀委員長が出て行った途端に、全員が脱力した。
「くるみ、ぐっじょぶ。」
「あざす。」
葛西先輩に頭を撫でられ髪をもしゃもしゃにされるが後で直すからいいということにしておく。
「どうなるかと思った。」
「葛西先輩マジでタイミング悪いっすね。」
「オレのせいじゃないでしょそれは。あっちが勝手に来たんだから。
というかなんでくるみがここにいるのさ。」
「ハム先輩に呼ばれました。」
「一回席外した時か。」
「そうそう、くるみちゃんに助けてもらおうと思って。
沼田くんと戸田先輩の間に入った人ってことで関係ないわけじゃないし、風紀委員長ともエンカウント済みってことは聞いてたから。」
「無茶ぶりにもほどがあるんですけど…」
「でもくるみちゃんのおかげで結果的に、風紀に現状を認めさせる上で大きな一撃を食らわせることになったね。
さすがオレのくるみちゃん。」
副会長が腕を伸ばしてくるが魔王・葛西先輩の背中に隠れることで回避した。
最強の盾ですがなにか。
「気持ち悪いこと言わないでもらえますか?」
そんなやり取りにかっちゃん先輩はあきれ顔だ。
「遊んでないで今後の対策考えておいた方がいいんじゃねぇの?
これで風紀が簡単に意識を改めるには至らないと思うし、葛西がここにいた理由を聞かれたらそれこそ困る。
それなりの言い訳は考えておけよ。」
かっちゃん先輩はなんだかんだで常識があるよな。
3年生になればあたしも常識人になれるだろうか。
…難しそうだな。