それいけヒーロー部
「すみません遅れました牧村くるみです!」
授業が始まってそれなりに時間がたっているけれど、サボっているところを誰かに見られても面倒なので素直に教室へと向かった。
菩薩のように目が細い担任の授業だったため、「馬鹿が来たな」という失礼極まりない一言ですんなり授業が再開された。
「…どうした。」
「…何が?」
「…授業終わったら話聞かせろよ。」
ちらりとこちらを見ただけであたしに何かあったと勘づくマリリンは、何か特殊能力でも持っているんだろうか。
授業の間、無心になるためにもノートをがりがりと取った。
今までになく真面目に授業に参加するあたしを担任が不思議そうな顔で眺めていたが、それも無視だ。
今はなにも思い出したくない。
そして、真面目に授業に参加していたらあっという間に授業は終わった。
無心になるってすごい。
「で、何があったの。」
マリリンにのぞき込まれると安心した。
マリリンの癒しの力は最強だ。