それいけヒーロー部
まずは生徒会室での出来事を一通り話した。
今後さらに動きが大きくなりそうなことも。
「でも、それとお前の動揺はたぶん別件だろ。」
話を聞き終わってマリリンが一言。
なんで動揺してることがばれてるのか。
「そんなん、お前の顔見てればわかるわ。」
マリリンはどこまでもイケメンでした。
「なにが原因なの?」
「副会長が…」
「またあの腹黒かよ…今度はなにされたの?」
話そうと思ったが、マリリンに知られるのが嫌だなと思ってしまった。
これは今までにない感覚だ。
だって、マリリンにはなんでも話してしまうのがあたしだから。
隠し事とか無理だし、しようとしてもマリリンにバレてしまうのが常だ。
それでもマリリンには知られたくなかった。
…考え出したらなんかよくわかんないけど、絶対に知られてはいけないことのように思えてきた。
「な、なにもないぜ!」
「…は?お前そんな顔してよくそんなこと言えるな。絶対に何かあっただろ。」
「何もなかった!だから大丈夫!」
「…全然大丈夫そうな顔じゃねぇんだけど。
なに、口止めでもされた?」
マリリンが眉間に皺を寄せながら顔を覗き込んでくる。
きっとあたしのことを心配してくれているんだ。
それはよくわかっているし、マリリンにはできるだけ心配をかけたくない。
でも、知られてはダメだ。
「何もないから口止めもなにもないよ。
マリリンは心配性なんだからー。」
へらへらといつものあたしの緩い顔で。
何も心配なことはないんだと伝われ。
「俺には言えない事なんだな。」
諦めた顔。
つらそうな顔。
なんでマリリンそんな顔するのよ。
そんなんだから物憂げな美青年とか言われちゃうんだよ。
あたし、マリリンにそんな顔してもらいたいわけじゃないんだけどな。