それいけヒーロー部

「なんかよくわからないヒーローごっこの話された。覆面集団だった。入会させられそうになった。悪徳商法だ。」


「…おい、それって、」



マリリンが焦ったようすで口を開いたとき、教室の前の扉が開いて銀次郎が顔をのぞかせた。



「くーるみちゃーん!!!ちょっとなんで勝手に帰っちゃうの?!見ててって言ったよねオレたち?!しかも今何の話を、」




「あ、やべ。逃げてきたのバレタ!」


「ねぇ、今何の話してた?!あ、ちょっと待って、ここでは言わないで!ということで、二人ともちょっとツラかせやー!」



一瞬にしてあたしたちの目の前に来た銀次郎は、あたしとマリリンの腕をつかみ、力任せに引っ張り出した。




「え、ちょ、授業…」


「ダメ!こっちの方が一大事!授業より!」


「学生にとって授業より大切なものはないと思うんですがマリリン!あたし間違ってるかな?!」


「間違ってはないが、午前中寝つくした奴が言っていいセリフではないよな。」



「ごもっともです!でもなんでマリリンそっちサイドなの?!あたしの味方はどこに?!」


「みんなくるみちゃんの味方だから安心してー」


「銀次郎!味方なら強制連行なんてしない!」



「えー?オレ銀次郎じゃなくて文彦だよー?」

「間違えました!」





と、騒いでいる間に舞い戻ってまいりました、華道部部室前でございます。





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