それいけヒーロー部
二度めましての風紀室。
中には誰もおりませんでしたので委員長との一対一。
「で、何の御用ですかね?」
風紀委員長用のデスクに座った委員長は、先ほどまでの不機嫌そうな顔のままで何も言わない。
「いいんちょ?」
仕方がないので、こちらから仕掛けてあげよう。
また委員長の視界に入るように移動をして、顔を覗き込む。
すると、ズババッと音がするのではないかという勢いで離れた委員長。
おいおい、そんなに嫌かい。
「いいんちょ、お話しがあるんじゃないんですか?」
「そ、そうだった。」
忘れてたのかおい。
委員長しっかり!
正気を保って!
まわりに誰もいないからってヘタレモード発揮しないで!
「…この間は、」
「この間っていうのは、生徒会室でのことですか?」
あたしの問いかけにうなずきを返す。
ヘタレモードのままでは話が進まないと判断したため、委員長に意地悪するのは今はやめておこう。
「あたしもあの後どうなったのか気になっていたんです。あの万引きの先輩はどうなりました?」
「一週間の停学。」
「ああー…まぁ、そうですよね。犯罪ですからね。
せっかくあたしが一回は止めたってのに、馬鹿ですね、あの人。」
「…お前は、何者だ?」
おっと、ここで唐突な先制パンチ。
まさか委員長にヒーロー部だって感づかれた?