それいけヒーロー部
「それはどういう質問なんですかね。何者と聞かれても…」
もちろんここであたしがヒーロー部だなんて確証は与えない。
こちらの弱みは見せないよ。
「…お前の、その図太さが気になる。」
「図太い!唐突に失礼!」
「…あぁ、すまん。言葉の綾だ。
誰にも物怖じせずに、誰とでも対等に接する。見た目や、役職などに、捕らわれない。
それが謎だ。」
…もしかして、ヒーロー部とか関係なしに、あたし個人に対しての興味関心ですか?
「謎って言われましても…ずっとこんな感じで生きてきたので、これといって何も意識してないんすけどね。」
「それにしても、お前の周りは、個性的過ぎる。」
あたしの周り…あたしが委員長と関わったのは最初にここに連れてこられたときと前回の生徒会室。
その時周りにいたのは、名前も知らない刈り上げ先輩とつんつん先輩、生徒会メンバーとかっちゃん先輩、葛西先輩。
あとは、さっき一緒にいたマリリンと銀次郎。
確かに個性的ではあるが、生徒会室であったメンバーでちゃんと会話したのはかっちゃん先輩くらいで、葛西先輩とは他人のふりをしたし生徒会メンバーとも大して親し気な会話はしていない。
「悪いが、少し、調べた。」
調べた…ね。
委員長とエンカウントしてから委員長とは大して関わってないから、他の顔も知らない風紀委員か。
「大文字とは、幼馴染。江橋は、特に仲が良い。あとは、野間沢。戸田先輩。太郎先輩、守屋先輩。生徒会会計とも仲が良い。」
確かに委員長と会ってから主に関わっているメンバーだな。
葛西先輩、陣野くん、会長の名前が挙がってこないのは、学校内で目立った接触はしていないから。
腹黒バカはあれ以来避けているから名前が出てこないんだろう。
ということは、一応マークはされているがそこまで厳しいものではないということか。
ここは素直に認めてなにを思ってマークしているのか聞き出した方がいいか。