それいけヒーロー部
万引き先輩の停学期間が終わってから1週間が過ぎたころ。
何もアクションを起こさない先輩を完全に甘く見ていた。
護衛風紀の忠犬小竹くんは一生懸命あたしのような小物なんかを護衛してくれようといていたけど、あたしは1週間縛られ続けて嫌気がさしていた。
放課後、マリリンは部活に向かってしまい、あたしは小竹くんと帰る予定だったが、小竹くんが来る前に帰宅しようと教室を出た。
ようは、バックレようとしたわけだ。
そしてそこを見事に狙われた。
「…先輩、いくら何でも、か弱い女の子に出合い頭で一発くれるってのはちょっと人間性を疑いますよ。」
いつものように自転車置き場に向かう途中、校舎の陰に隠れていた万引き先輩は、手加減もせずにあたしの腹にきつい一発をくれた。
正直、気が緩んでいたため全く反応できず、ゆるゆるだったお腹にもろに食らってかなりの痛手を負った。
思い切り殴られて一瞬何が起こったか分からず、フリーズしたところを引きずられ、校舎裏の目立たないところに連れてこられた。
のぞき込まないと見つからないような厄介な死角で、ヒーロー部の見回りで毎回来るところだ。
「お前のせいで、オレはもう終わりだ。」