それいけヒーロー部

「牧村さん。すみませんでした。」



マリリンの背中に隠されていると、忠犬小竹丸がしょんぼりと耳を垂らして謝りにきた。



「いや、もとはと言えば、あたしが大人しくしていればよかっただけのことだから。小竹くんは気にしないで。」



「でも、」



「何か大きな被害があったわけではないし、先輩とちゃんとお話しして和解もできたんだ。だから、結果オーライだよ。」




小竹丸の目を見て話せば、申し訳なさそうな顔はまだしていたが、それ以上謝ってくることはなくなった。



「須藤。停学明けで女子生徒への暴行。退学になっても文句言えないぞ。」


「…わかってる。」



「ちょ、委員長!

あたしは先輩と話すことができてちゃんと納得したので、退学とかそういう処分はいらないです。」



マリリンの背中から出て委員長に向き直る。



「しかし、」

「先輩は反省したはずです。もう二度と同じことを繰り返さないと、あたしに約束してくれました。なので、もう十分です。」



「それでは他の違反者に、示しがつかない。こいつだけ許す訳には…」



ここでまさかの委員長からのナイスアシスト。




「他の違反者って…他にも何かあったんですか?」



あくまでも自然に。あくまでも無知を装って。



「いや、今後、何かあったときに示しがつかないという意味だ。」



うーん。かわされたか。

…それとも、本当に何も知らないか…?




「オレは言われた罰をちゃんと受けるよ。

こいつと話をしてすっきりした。オレはオレがしたことを認めて、これからやり直していきたい。退学というなら、それも受ける。」



「先輩…!」



「お前に投げ飛ばされて、頭すっきりしたわ。」



< 245 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop