それいけヒーロー部

「牧村捕獲してきた。」

「捕獲て。」




あたしは珍獣かなんかか。



「あ、やっぱりくるみちゃんだったのね。」


「だろうとは思いましたけどね。」




生徒会室の中にはハム先輩と駒井くんがいた。




「これだけ生徒がいる中で、声だけであたしだとわかるとは、生徒会さんもなかなかあたしの事好きですよね。」



「ポジティブって時に恐ろしいよな。」




どういう意味ですか会長さん。

褒められたのか貶されたのかわからないんだけど、とりあえず褒められたと思っておいていいかな。




「お褒めの言葉、ありがとうございます。」



「褒めてねえよ。」




褒められたのではなかったらしい。




「まぁ、なんでもいいんですけど、なんの用事ですか?こんなに白昼堂々と生徒会室に来いだなんて。」



一応、一般生徒として平凡に生活しなきゃいけないんですけど。




「え、だってくるみちゃんって生徒会の裏役員でしょう?たまにはいいじゃないの。」



「ハム先輩、裏の意味わかってます?

裏なら裏なりにコソコソしなきゃいけないと思うんですけど。」




「会長、廊下に誰かいた?」




「いや、そこら辺はちゃんと考慮した。」




「じゃ、大丈夫でしょ。」





うんうんとうなずき合う生徒会の人たちに脱力。



「ま、あなたたちがそれでいいってんならいいですけど、誰かに見られててピンチになったら助けてくださいね。」




「それはもちろん。」



「で、なんの用事です?」






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