それいけヒーロー部
「報告書によると、放課後に風紀の警備を振り切って帰ろうとしたところを須藤先輩に狙われた。
腹部を一発殴られ、そのまま校舎裏に引きずられたとある。
さらにはその後お前に説教をされた須藤先輩が再びお前を殴ろうとしたが、投げ飛ばされて返り討ちにされ、地面にうつ伏せで押さえつけられた状態でお前に話を聞いてもらって気持ちの整理をつけ、お前に謝罪。
そこで江橋がやってきて、和解したことを報告しようと風紀に足を運んだところまで書いてある。」
「まぁなんて詳細な報告書なんでしょう。
あたしが説明することが一つもなくなったわー。」
事細かに書いてくれちゃってどうしてくれようか!
投げ飛ばしたとか地面に押さえつけたとか、まずくないか。
非常にまずくないかこれ!!!
「…これって、先生にも提出ってされてたり…?」
「オレがばっちりここで止めてる。」
「さっすが会長!わかってるー!!」
「ついでに、先生には生徒会から提出しておくからこっから先は生徒会に任せろと風紀に伝えてある。」
「完璧かよ!」
よかったー。
生徒会を先に味方に引き込んどいてよかったー。
先生方にあたしのこと伝わったら、これから先、探り入れるときに不審がられるところだったわ。
「牧村。お前、これからどうするつもりかわからんが、もう少し周りを警戒しないと、本当に危ない目にあうぞ。」
「そうだよ。今回だって危なかったんだからね!」
会長とハム先輩の真剣な顔に、思わず笑ってしまった。
「おい。オレは真剣に…」
「いや、分かってますよ?ただ、会長やハム先輩がこんなに真剣にあたしのこと心配してくれるだなんて、あたしは幸せもんだなと思いまして。
大丈夫ですよ。あたしもちゃんと考えてますし、そう簡単にやられてやりません。」
それに、あたしには心強い味方がたくさんいますしね。
「…全く、お前はなんだって簡単にいってくれるな。」
「それがあたしのいいところですよ?」
「…そうだね。くるみちゃんはそういう子だわ。」