それいけヒーロー部

いつの間にかあたしの正面に位置をずらした副会長。


あたしから決して目をそらさない。

その言い分に、反論することができない。




副会長が言っていることは正しい。

あたしはこの人のことをちゃんと見ようとしていなかったから。




「まぁ、誰に対しても平等に接する君が、オレに対してだけ嫌悪感を見せるっていうのはある意味意識してもらっているってことなんだろうけどね。」




そう言ってウインクしてくる副会長に眉を寄せると、アハハと笑い声が返ってきた。


「そういえば、風紀からの報告書を見たよ。

お腹を殴られたって書いてあったけど、大丈夫なの?」



「少しあざになりましたけど、大したことないです。」



「え、見せて。」


「……なんだって男どもはみんなそうやって無神経にセクハラしてくるんですかね?見せるわけないじゃないですか。」



「心配してるだけなのに。」



「いらん心配です。」



「好きな子が傷つけられて、心配しない男はいないんじゃないかな。

言っとくけど、オレは君が思っている以上に君のことが好きだよ?」



「……それはもう分かりましたから。心配どーもです。」



「…くるみちゃんって素直だよね。オレに言われたことでも、自分が悪かったと思えばちゃんと改めてくれる。

そういうところ、本当に好き。」



「…あんまり好き好き言わないでもらえます?」



「なんで?恥ずかしい?」



「…そんなところです。」




そう答えたあたしを満足そうに眺める副会長にイラッとして、つま先を踏んづけた。




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