それいけヒーロー部

「なんか、壮絶な過去をお持ちのようで…」



「このままではダメだと思って体を鍛えるために近所の剣道場に通った。

中2から一気に身長が伸びて、それからは女子に関わらないようにして過ごしてきた。

高校も地元の友達のいないここを選んだ。」



「そうだったんすか…じゃ、じゃあ、あたしが最初いいんちょにしたのって、もしかしてトラウマレベルで嫌なことだったんじゃ…」



「………まぁ。」



「ごめんなさいいいいいい!!

本当に、あの、知らなかったでは済まされないレベルで、本当に失礼なことを…!!」



「もういい。それに…牧村は大丈夫だった。」


「へぁ?」


「なぜかは分からないが、大丈夫だった。」



「そ、そうなんですか?」


「あぁ。たぶん、牧村の目が純粋そうだったからかな。」


「そ、れは、どうも。」



なんか正面切ってそういうこと言われるの、恥ずかしいですね。



「オレのことは話した。牧村のことも教えろ。」



また一瞬だけ視線が交わった。



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