それいけヒーロー部
そこから語られた去年までの風紀委員の様子は、ほとんどが生徒会のみんなが言っていたのと大差なかった。
事件のもみ消し、擦り付け、濡れ衣。
「去年委員長をしていた人はもう卒業した。
去年の後期から今年の前期に委員長をしていた人は今3年だ。ちなみに、一個前の生徒会長も3年にいる。
その二人がおそらく一番今までの状況については詳しく知っていると思う。」
「委員長はどうして委員長になったんですか?」
「……目の前で行われる不正が許せなかったからだ。
ほとんどの事件に関して、風紀に話が上がってきてもここでその事件はなかったことにされていた。
よほど大きな事件や一般の生徒が多く目にしたものに関しては、悪意のある情報操作がされていた。秩序を保つはずの風紀委員が一番に秩序を乱していた。」
「でも、委員長が委員長に選ばれたのはそういうのを近くで見ることができたからじゃないんですか?
不正に否定的な人が次の委員長に選ばれます?
もしもあたしが率先して不正していた側の人間なら、自分の後を継がせる人を選ぶときに自分の考えに反対している人は選ばない。
もし自分の罪を公にされてしまったらと考えれば当然の流れだと思います。この考えが正しければ、委員長は風紀委員の不正に肯定的だったと仮定できます。」