それいけヒーロー部
考えたくはないけれど、委員長が今話している内容が偽りにまみれていて、あたしを騙そうとしているのであればここで動揺が見られるはず。
「牧村はオレが思っている以上にいろいろ考えているんだな。」
「話を逸らすのは、図星をつかれたときにやる常套手段ですよ。」
「あぁ、悪い。そういうつもりではなかったのだが…なぜオレが委員長に選ばれたかというと、オレ以外にいなかったからだ。」
「は?どういうことです?」
「そのままだ。オレ以外に風紀委員に残るやつがいなかった。みんな1年でやめてしまったんだ。2年に上がった時点で1年の頃から継続して風紀委員になるやつがいなかった。
3年の風紀委員は不正に大きくかかわっていたからやめるやつなんてほとんどいなかったんだが、1年のオレたちは見てるだけだったからな。みんな思うところがあってやめたんだろう。
オレは残ってどうにかしようと思っていたから、そのまま風紀委員に入った。
選択肢がそもそもなかったからオレになったのかもしれないが、オレとしては好都合だった。」
風紀委員って、強制で継続なわけじゃないのか。
4月の委員会決めで決めて1年は変えられないけど次の学年でまたリセットされるのか。
「納得してもらえたか?」
「そうですね。腑に落ちました。」
「それは良かった。」