それいけヒーロー部
委員長との協定を結び、風紀室に入ったときとは打って変わってルンルンで風紀室を出る。
風紀が味方についたということは、この学校の改革はもう最終段階に入ることができるんではないだろうか。
はじめに言っていた黒の可能性がある場所は「生徒会」「風紀」「教員」の三つだった。
そのうち二つは白。
そしてこちらの味方につくことが確定した。
あとは残りの一つを叩けば終了ということだ。
「あ、牧村だ。」
考え事をしながら廊下を進んでいると、聞き覚えのある声に呼び止められた。
「あ、…えーっと、つんつん先輩と刈り上げ先輩。」
「誰だそれは。」
以前バナナ牛乳を買いに行った自販機前であたしに絡んできた先輩2人組だ。
「お前、オレらのことそんな名前で呼んでたのか。」
「いやだって、自己紹介もしないで話してたじゃないですかあの時。むしろなんで先輩たちあたしの名前知ってんですか。」
「それもそうか。というかオレは刈り上げじゃねぇ。ツーブロックだ。」
「お前の名前は風紀室で聞いたからな。それに、女子たちが牧村むかつくって言ってたから。」
「知らないところでムカつかれるとは…あたしも有名になったものですね。有名人ってつらいわ。」
「……お前のメンタルの強さなんなんマジで。」
「先輩、まだ二度目ましてじゃないですか。あたしのメンタルの強さはまだまだこんなものではないですよ。」
「底が知れないとはこのことか。」