それいけヒーロー部

「はぁ?なに言ってんだよたかちゃん。」


「でも、確かにあの方と同じ目をしている!」


「スパイダーかぶってたんだから目なんて見えてないはずだよたかちゃん!それに、牧村があんなに激強には見えない!」



いや、でも…!とブツブツ言っているたかちゃんを囲む二人。

どんな状況だよこれ。帰ってもいいだろうか。



「すいません先輩方。ちょっと何の話をしているのか分からないので、もう退散しますね。ごきげんよう。」



長居してたかちゃんに確信をもたれても困るのでさっさと退散しよう。



「ちょっと、待ってください!!」



退散しようとしたあたしの腕を掴むたかちゃん。
ぞわっとした。



「あの、一回でいいんでオレの事……思いっきり蹴ってもらってもいいですか?!」

なんだよそのお願い絶対に嫌だわ。



「え、あの…離してもらっていいですか?怖いんですけど。」


「その冷たい眼。声。見た目によらず筋肉質な腕…絶対にあなたですよね?オレには分かります。なぜなら、ずっとあなたを探していたから…!!」






こえええ!!!

なんだこの変態!恐怖!魔王ににらまれたときとは違った恐怖!!

なんでこいつこんなに興奮してんの!





「は、なして、くだ、さい!!!」


思いっきり腕を振って離れようと試みても全然離れない!

なんなのこの執念!



「たかちゃん、やめとけ!!牧村を怒らせると怖いぞ!」


「そうだ、やめろ!ちょっと変質者っぽくなってるから!!」




友達ならもっと本気で止めてやれよぅ!!!



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