それいけヒーロー部

さっきよりは話を聞いてくれる気があるのか、目線だけこちらに向けてくれた。


それだけで嬉しいあたしはなんて単純なんだろう。




「さっきの話なんだけど。」


「ちゃんと考えた?」


「考えようと思ったけど、マリリンに嫌われたと思ったら思考停止してなにが何やらわかんなくなった。」


「…お前って本当に思ったこと全部言うのな。」


「だって、隠してもいいことない。ちゃんと言わないと、分かんないまま終わっちゃう。それは嫌だ。」


「くるみのそういうとこ、うらやましいよ。俺にはできない。」


「マリリンは秘密主義なところがあるからね。でもそういうところも好きだよ。」


「……本当にお前ってやつは…」




大きな大きなため息をついてマリリンがしゃがみこんでしまった。



「ど、どうしたの?お腹痛い?」




となりにしゃがむとマリリンと目が合った。なんか正面から目が合うのって久しぶりな気がする。昼休みぶり。




「痛くねえ。お前のアホさに呆れた。」


「そんなの前から知っていたことじゃないか!今更なんで再確認されたの!」


「お前はアホでかわいい。」


「褒められた!」




頬をつままれタコみたいな口にされたけど、マリリンの雰囲気が前のマリリンに戻ったからいいや。


冷たいマリリンは冷たすぎて凍っちゃうよ。




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