それいけヒーロー部

「あれ?オレたち会ったことないよね?あっれー?マジで一回会ってた?

そしたらオレめっちゃ恥ずかしくないこれ?」



「あなたさっき自分で一回会ったことあるって言ったじゃないですか。」


「でも本当は初対面でしょ?」



まぁそうなんですけどね。



「なんなんですか、あなたたち兄弟はそうやって女の子ひっかけて歩いているんですか?」



「あれ?くるみ、勇志さんに会ったことあるの?」



大魔王・葛西先輩が不思議そうな顔で聞いてくる。



「あの野郎、いつの間に。」



海先輩が小さい声で言った言葉が聞こえてしまって思い出した。

そういえば、あの密会は海先輩にバレちゃダメなんだった。



帰り際に「絶対海には言うなよ!」と必死な形相だった勇志さんを思い出した。


けどここで誤魔化すのはちょっと不自然だ。




「少し前に町で声をかけられまして、ちょっとお話ししたくらいです。」


「ちょっとお話ししただけなのに名前も聞いたんだ?」


「だって、あたしの名前知られてたんですよ?それならこっちも聞くでしょうよ。

というか、海先輩、あたしの写真と名前と漏えいするのやめてもらっていいですかね?」



そもそもあなたたちがあたしの情報を公開していなかったらこんなことにはならなかったと思うんですけど。



「うちの兄がどうもお世話になったようで。」



「いやいや、そんな。コーヒーおごってもらってくらいです。」


「がっつりお茶してんじゃねぇか。」


「で、その弟さんがなぜここに?なにかの作戦会議ですか?」



< 290 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop