それいけヒーロー部
「この短時間で生徒会と風紀も味方につけるとはね。」
「流石オレの弟子。」
「海先輩の弟子になった覚えはないっすよ。ま、これで、残り叩くのは教員だけですね。」
あたしがそういうと、壮志さんが険しい顔をした。
「いや、教員もそうだけど、それよりも3年の方が厄介かもしれない。自分たちが今までしてきた悪事を暴かれたくなくて抵抗してくるかも。」
今の3年か…。須藤先輩の言動から考えても3年の闇は深そうだよな。
「教員と3年っつーことは、オレが退学する原因になったあいつらもいるよな。」
「そういうことになるな。」
「それはそれは。そこを叩くのはぜひオレも参加させてもらいたいね。」
「まぁその気持ちはわかるけど、どうやって参加する気だ?学校内に入ってくるのは流石に難しいんじゃね?」
「そんなの、別に学校の外だっていくらでもできるだろ。」
「壮志さん、何する気ですか?学校の外でなんか問題起こしたら、壮志さんのこれからに関わってきちゃうんじゃ…」
学校内でのことならよっぽどのことじゃなければまだ学校内で対処することができる。
でも、外で何か問題を起こしたら、それは一発で外部機関の管轄になってしまう。
「なーに、クルミちゃん。オレのこと心配してくれるの?」
「…あたしは、壮志さんのことあんまり知りませんけど、海先輩と葛西先輩が仲良くしていた人ならそれなりに信用できる人なのかなと思っています。なので、それなりに心配もします。」
そう言うと壮志さんも海先輩も葛西先輩も驚いた顔でこちらを見つめてきた。
「え、なんです…?なんか変なこと言いました?」
「いや…お前そんなにオレの事信頼してんの?」
「信頼…まぁ、友達とか仲間を大事に思っていることは流石に分かりますし。」
「くるみは本当に可愛いこと言うね。そういう言動に釣られる男たちがいっぱいいるんだろうな。」
「釣ってないっすよ。人聞きが悪いなぁ。」
「いやいや釣ってんだろうが。」
「釣ってないですって。あたしはマリリン一筋なんで。他はNOサンキューです。」
今日だってそれが原因でマリリンと不穏な空気になってしまったのに、これ以上なんかあるのは嫌ですよあたしは。
「まぁ、そんなことで、壮志さんは法の範囲内でできることをしてくださいね。」
壮志さんに視線を向けると、なぜか満面の笑みでこちらを見ている壮志さんと目が合った。