それいけヒーロー部
それからというものの、たかちゃんからの逃走をしつつ刈り上げ先輩とつんつん先輩に接触しようと試みた。
たかちゃんはアホだが、たぶんあの二人はそこまでアホじゃないと思う。
たかちゃんの暴走を止められるけど、面白いから止めないというような意図を感じる。
「やっと接触達成っす。」
「え、何?あ、牧村。」
「どーもです。」
以前も絡まれた自販機前。
この二人ももしかするとバナナ牛乳信者なのかもしれない。
バナナ牛乳は学校内の自動販売機でここにしかないからな。
「なんでお前たかちゃんがいないときに限って現れるんだよ。
たかちゃん超お前に会いたがってたぞ。」
「だから逃げてんじゃないっすか。というか、先輩方あの人のこと面白がってないで止めてくださいよ。」
「いやだっておもしれーじゃん。」
「そうそう。たかちゃんっておもしれーんんだよ。」
「…ダメなことはダメと教えてあげるのも友達の使命だと思うなあたし。」
「たかちゃんはダメなことはしてないだろ。単純にお前に会いたいってだけ。」
「なんというか、あのテンションが怖いっす。」
「だよなー。たかちゃん、普通にしてればそれなりにかっこいいのに、あのテンションが台無しにしちゃうんだよな。」
「女の子相手にならかっこつけていられるんだけどな。」
「え、それは暗にあたしは女の子ではないと言ってるんすかね?」
「いや、たかちゃんにとってお前はアニキだから。」
「そうそう、っふ…アニキは特別だから。」
「……めっちゃ半笑いじゃないすか。びっくりするくらい面白がってるこの人たち。」