それいけヒーロー部
「オレたちの何がお前に信頼されるきっかけになったのか全然わかんないんだけど。」
ツンツン先輩の言い分は最もだ。
大して会話もしていない。
そして初めの印象は最悪だし、今までこの人たちがやってきたことも信頼とは程遠い。
「あたし、基本的に素を見せて話してくれた人は信用しちゃうんです。チョロイでしょう?
でも、あたし人を見る目はあると思っているんで、自分の感覚に従うだけです。」
「そりゃまたチョロイな。そんなんだとすぐに悪いお兄さんたちに捕まっちゃいそうだ。」
「そうなんすよ。だから周りの人にいつも助けてもらってるんです。」
「お前の周りにいるやつは気が気じゃないだろうな。…あぁ、江橋がその筆頭か。」
「マリリンにはいつもお世話になってます。」
「で、なんだ。オレたちにもお前の面倒を見ろと、そういうことか。」
「えへへ。」
「……何がえへへだ。先輩捕まえてよくもまぁそんなことが言えたな。」
「でも、たかちゃん先輩の面倒を見てる先輩たちならあたしの面倒も見てくれるんだろうなと思っています。」
「ずいぶんとまぁ我儘なお嬢様だな。」
「そんで、我儘なお嬢様の要望はなんなんだ?仕方ないから聞いてやるよ。」
「ありがとうございます!」
「オレらも大概チョロイんでね。馬鹿かわいい後輩の言うことは聞いてあげたくなるんだよ。」