それいけヒーロー部
「まず最初に謝っておきます。ごめんなさい。」
「え、最初っからそんな感じなの?何について謝られたんだ?」
「あたし、ヒーロー部なんです。」
「あ、そんなことか。なんとなくそうなのかとは思ってた。」
「うんうん。」
「バレてた!!え、なんでバレてるんです?」
「たかちゃんがお前のことスパイダーって言ってたしな。」
「たかちゃんってアホだけど、そういう勘とかは結構信憑性高いんだよ。あとすごく運がいい。」
たかちゃんの扱い……。
ただのラッキーボーイじゃないか。
「でも本当にお前があのスパイダーなんだな。激強じゃん。」
「…お恥ずかしながらそうなんです。今まで黙ってしらばっくれててすいませんでした。」
「まぁ、隠さなきゃいけない理由があったんだろ?お前あんまり自分から嘘ついたりとかしなさそうだし。」
…この先輩たちすげーイイ人やないか。
「なんでそんなにイイ人なのに小竹丸のこといじめてたんすか?」
「あー…あれな。オレらも一緒になって囲んじゃったから今から言うことはただの言い訳にしかなんないんだけど、オレら二人とたかちゃんはあそこに居合わせただけだったんだよなぁ。」
「そうそう。オレたち以外の3人がタバコ吸っててさ、そこに通りかかった時になんとなく一緒にそこで駄弁ってたんだよ。
そこに風紀のあいつが来て、オレたちもよく持ち物とか服装とかで風紀室行ってたから、まとめて説教されたと。」
「そんで1年のくせに生意気言ってんなコノ、みたいな。」
「そんで囲んでボコボコにしてやろう、みたいな。」
「そこにヒーロー部登場で返り討ちにされたってわけ。」
「そしてたかちゃんが新たな扉を開いたのさ。」