それいけヒーロー部
最後の情報は心の底からどうでもいいが、小竹丸囲み事件の真相はわかった。
小竹丸の先輩たちに対してのイメージが凝り固まっていたという点もあるから、小竹丸がなんて説教したのかにもよるが、先輩たちも手を出してしまったのは失敗だったな。
「ヒーロー部には返り討ちにされたけど、オレはあそこでヒーロー部に止めてもらえてよかったと思ってるよ。」
刈り上げ先輩があたしの顔を見て真剣な顔でそう言った。
「たぶんあそこで止めてもらえなかったら、オレたちは小竹にあれ以上のひどいことをした。オレたちもたかちゃんも自分たちがしていることが悪いことだってわかってた。
なのに、集団の意識っていうのかな、自分たちでは止められなかった。情けねぇけどな。」
「だから、お前らには感謝してんだ。ありがとうな。オレたちを止めてくれて。」
まさか殴った相手に感謝されるとは。
「い、いやぁ。あたしはヒーロー部としてですねぇ…」
「あれ、そこで照れるんだ?」
「怒られる覚悟はしてましたが、礼を言われる覚悟はしてなかったんで…」
「これでオレらが牧村のこと怒ったら、オレたち人間として最悪じゃね?流石にそこまで落ちぶれてないよ。」
「そ、そうっすね。」
「それで、ヒーロー部だってオレたちにバラしたってことは、何か大事な話があるんだろ?」
「はい。話がはやくて助かります。あの、あたしがスパイダーだってことは周りに言いふらさないでほしいんです。」
「そりゃ、そうだよな。オレたち言いふらしたりしてねーよ?」
「いや、先輩方は心配してないんですけど、…たかちゃん先輩をどうにかしてください。」
「あぁ、そっちか。」