それいけヒーロー部

海先輩の話では教室でスパイダーを見つけたって言ってるらしいじゃない。

それって最高に困るわけよ。



「それなら、牧村が自分でたかちゃんに言った方が早いと思うけど。たぶんお前の言葉なら何も聞かずに納得すると思うよ。」


「いや、なんていうか…メンタルが…」


「あはは。削られる？」


「…がっつりと。」


「でもやっぱお前から言った方がいいよ。つか、今の状況もたかちゃんからするとショックだと思うよ。

教室にまで会いに行ってんのに会えない牧村が、自分からオレたちに会いに来たとか、事件でしょ。」



「バレたらオレら殴られるかもな。」


「え、マジすか。」


「そのくらいたかちゃんはお前に会いたがってるよ。」


「…でもあたし無抵抗の人間を蹴るとかできない…」


「別にそんなプレイをしろって言ってんじゃないよ！今みたいにただ普通に会って話せばいいじゃん。この前お前自分で言ってたろ。ただの先輩後輩みたいに話せばいいんだよ。」



「それを許してくれないのがたかちゃん先輩の怖いところ…」


「よし、わかった。オレたちが言っといてやるよ。もし牧村と会ったら、普通の先輩っぽく話せって。そしたら牧村と会話できるぞって。」



「ま、できるかは分かんないけどな。」



ニヤニヤしながらそんなことを話す二人は、たかちゃんのことが大好きなんだろうなって思いました。