それいけヒーロー部
放課後、海先輩と魔王・葛西先輩に怪し人リストを渡すと、二人の眉間に皺が寄った。
「こいつは初めから当たりを引いたかもな。」
「どういうことですか?」
「この2年3人は壮志がいたときからオレらのこと敵対視してたやつら。現状オレと博光のこと目の敵にしてる。」
「正確にはオレと中学が一緒で、その時からオレに突っかかってくる面倒なやつら。」
魔王がやれやれとため息をつく。
魔王に盾突くなんて命知らずな奴らだ。
「そんで、この3年の4人の内一人が壮志が退学になる原因になった元風紀。こりゃビンゴだな。」
よくやったと二人に頭を撫でくり回される。
褒められてうれしいうれしい。
くるみちゃんは褒められるとがんばる子です。
「で、この情報はどこから手に入れたの?」
「たかちゃんの友達二人に口止めするついでに話聞きました!あと明日たかちゃんに口止めするために話しに行きます!」
「なるほど。またオレたちに相談もなしに突撃したわけだねこのお馬鹿は。」
「…馬鹿猪はもうオレたちの手には負えないな。この馬鹿!」
あたしの頭を撫でていた手がそのまま空中に上がり、まっすぐ頭に落とされた。
「痛いっ!!」
「オレたちがくるみを心配して言った言葉くらいちゃんと聞いてほしいな。」
「グーじゃないだけましだと思えこの馬鹿。」
結局お叱りを受けました。
「明日、孝則に話しに来るならオレも一緒に話してやる。」
「え、そしたら海先輩もヒーロー部だってバレちゃうじゃないすか。」
「そこはうまくやるよ。お前になんかあって江橋に牙向かれる方が面倒だからな。」
「マリリンは天使だから牙なんてないっすよ?」
「……くるみは馬鹿で幸せだな。」
そんな憐れむような目で見ないでほしいです。