それいけヒーロー部
「あ?孝則は口出すなよ。こいつオレの幼馴染なんだ。昔馴染みの口喧嘩だよ。」
「大文字、だとしても後輩の女の子にそんな言い方はないだろ。もっと優しくしてやれ。」
たかちゃんがあたしと海先輩の間に立って、あたしを背中に隠す。
普通の女の子が普通の状態でこんなことされたらキュンと来ちゃうんだろうな。
…この人が変態だという前情報がなければね。
「あ、あの、先輩?ありがとうございます。でも、大丈夫ですから…」
「そうそ、こいつ昔からオレと遊んでるから大丈夫なんだよ。だからお前はすっこんでろ。」
「む、昔から遊んで…?!な、何して遊んでるんだ?どんな…」
あ、やばい、変態が発動し始めた。
「う、海先輩、場所変えましょう!みなさまの昼食の邪魔になってしまう!」
「そうだな。孝則も来い。説明してやるから。」
海先輩の手を取って教室を出ようとすると、反対側の手をたかちゃん先輩につかまれた。え、なんで!!
「えっと、なんで三人仲良くお手てをつながなきゃなんですかね。」
「お前が離したらいいだろ。」
「だってそうしたらあたしとたかちゃん先輩が二人で手をつないでる状況が出来上がるんですよ。それって怖くないっすか。」
「確かに。」
「じゃ、海先輩はそこでニヤニヤしてる刈り上げ先輩の手をつかんで連れてきてください。」
「それって最高に目立つな。」
「もう目立ってるんで関係ないっす。」
「それもそうか。」